ライスペーパーは春巻き用と思っている人もいますが、ベトナムには元々、ライスペーパーに肉や魚の料理とブン、ハーブや生野菜をのせ、卓上で手巻きにす る食べ方があります。実はこちらが本来の方法なのですが、1回ずつ手で巻くため、時間のある時にしか食べられません。そこでスピーディーに食べられるよ う、あらかじめ巻き置くスタイルの「生春巻」が生まれたのです。
つまり、生春巻きはファーストフード。現地では屋台や市場、学生が立ち寄るおやつのお店などで売られています。しかし見た目の珍しさから、外国に紹介され る機会も多く、ベトナムの外国人観光客向けのレストランに置かれるようになりました。日本でもベトナム料理店の定番メニューとなっているので、高級料理と 思っている人も多いのではないでしょうか。
ところが最近では、ベトナムの外国人向けレストランに、ベトナム人客が多く来店するようになってきました。これらのお店の中には、具にスモークサーモンや 生魚を使ったり、マヨネーズをソースに使ったりした、ちょっと変わった生春巻きを置く店も出てきました。つまり、食べ慣れた味を好むベトナム人もまた、 シェフがもたらす新しい味を受け入れ始めたのです。しかしこれらの多くは日本で食べたことのあるアレンジ…。そう、日本の生春巻きはベトナムの最先端を 行っていたことになりますね。伝統的な味、新しい味、どちらもおすすめですが、これらのことを知っていれば、より生春巻きが味わい深くなるかも知れませ ん。
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